一 冗談じゃない!

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聞いたことがあるワードに恵瑠は耳を疑った。だいたい此処は京都だとでも言うのだろうか?寝過ごしたことは確かかもしれないがどんなに寝過ごしたとしても東京から京まで言ってしまうことはないだろう。やっぱり夢?しかし恵瑠の五感はしっかり動いていた。 「あんた、名前は?」 「浅海恵瑠」 「ふぅん。異国でも日本人みたいな名前なんだねぇ」 日本人ですけど。そう突っ込みたいところだったが恵瑠はその言葉を飲み込んだ。その前に聞かなくてはならないことがある。そんなことは実際ありえないことなので聞くだけ無駄で、馬鹿にされるかもしれないが、一つの考えが恵瑠の脳みそで点滅していた。
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