三 沖田そーじ、そいつでいいや

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「芹沢さん、こんな話は聞いていませんが」 長い長髪を一つに括った男が芹沢を睨んだ。芹沢はどうってことないというように余裕な表情を見せる。 「土方よ、俺が気に入った女だ。小娘だがな良い目をしてる」 「女の入隊を認めるわけはいかないといってるんです、異人なんて持っての他だ」 土方、芹沢の間にバチバチと火花が飛んで見えた。実際は見えるはずはないのだが、浮かぶというのが正しい。恵瑠は二人の様子を眺めた後腕を組んで胡坐を掻いて座る男を見た。 「近藤、勇」 自分の名前を呼ばれて近藤はピクリと肩を動かして恵瑠を見た。
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