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…確かにこういうことでもないと、名前も知らないままだっただろうけど…。
余計なお世話だ、なんて思うのが、八つ当たりに近いのは自覚してる。
嬉しい。
嬉しくない。
正反対の思いが、同じくらいの大きさで浮かぶ。
…素直に喜べたなら、良かったのに。
多分、普通の恋する女の子は、好きな人の名前を知ることができるように尽力してくれた人に対して、こんな風に思うことはないんだろう。
だからって、その気持ちを伶にそのままぶつけようだなんて思わないけど。
伶なりに私を思ってしてくれたことだって、わかってるから。
…流石に、法に触れるようなことはしてないよね、伶…。
ちょっと不安かもしれない。
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