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「で? 俺のやさしーいココロヅカイを無にしやがった件について何か弁解はあるかこの馬鹿が」
宮内が所有する邸の一つに足を踏み入れて、真っ先にかけられたのはそんな言葉だった。
…予想はしてた。予想はしてたけど…なんていうか、予想通りなのがものすごく残念な感じだ。色々な意味で。
ノンブレスでその言葉を放った当人は、不気味なくらいキラキラしい笑顔を浮かべている。
…正直ものすごく気持ち悪い。
そう感じるのは、私が彼の実態を知っているからだろうけど。
今私の目の前で仁王立ちになって笑顔を浮かべている人物――宮内夕という人は、伶とはまた違った、でも人を惹きつけるのには変わりない、整った顔立ちをしている。
伶が『綺麗』なら、夕さんは『格好いい』だろうか。
年の差もあるんだろうけど、夕さんは伶に比べて大人の男の人っぽい魅力がある…と思う。
色気がある、と言ってしまえば一言だけど。
とにかく、外見だけなら文句のつけようがない人だ。
…外見だけなら。
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