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頭が割れるような痛さで目が覚めた。そこは見知らぬ森の中だった。
辺りの植物は見た事のない物ばかりで、奇怪な生き物が徘徊していた。
手の平ぐらいの大きさのゼリーのような物が、木陰を群れで移動しているのが見える。
耳の尖った小人が地面から出たり入ったりしていた。
私はどうしてこんな場所にいるのだろう……。
とにかく気味が悪い場所だった。
そして何時間も歩き回ってへとへとになり、木の下に座り込んで、
「一体ここはどこなんだー!!!!」
と何度目か分からない台詞を悲鳴のように上げた。
「なに叫んでんだよ、オッサン」
「大きな声出さないでよ! モンスターが寄って来ちゃうでしょ!」
……人だ。
黄色い髪に赤い瞳の青年と緑髪に紫瞳の少女が、気配も無く背後に立っていた。
鎧を纏っていようが、髪が緑色だろうが、とにかく言葉の通じる人に会えて安堵した。
立ち上がって二人に詰め寄り、
「ここはどこなんだ!? あの変な生き物たちは何なんだ!」
と喚き散らした。
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