プロローグ

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「あの、君は?」 遠慮しがちに名前を聞いてみた。 「すいません。自己紹介がまだでしたね。私は日野原秋と言います。」 「えっと、日野原さん?」 「秋でいいですよ」 彼女、日野原と名乗る少女は可愛らしく笑う。 「じゃあ、秋はどうして俺んちへ?」 俺は疑問に思っていたことを聞いてみた。 「ご両親からお聞きしてないのですか?」 うちの親? 親なら3ヶ月前にブラジルに行くと言って家を出たきりだが… 「なにも聞いてないんだけど…」 「そうですか、それは困りました。」 秋は心底困ったというふうに首を傾げた。 「なにが困ったって?」 「いえ、私たちの両親も一緒にブラジルに着いて行ってしまい暫くの間悠哉さんのご自宅でお世話になることになっているのですが…」 そっか、秋の親も一緒に 「………って、えぇぇえぇえぇ!?」
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