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「はぁ…。」
何度目かも分からない溜め息をはく。
俺、鈴木太郎は、神に見放されている…と思う。
子供の頃から、この名前で馬鹿にされていた。
容姿だって、良くて中の下だろう。
なんて言ったって22にして、バイト先の奴らにオタクだと馬鹿にされる始末。
俺だって好きでこんな顔に生まれたんじゃない…!!
だけど、こんな俺にも彼女がいた。
そう。
いた。
つまり過去形だ。
「はぁ…。」
そう溜め息をついて、暗い夜道を照らす月を見上げた。
俺の彼女は、かなりの美人だった。
人を気遣う優しさを持ち、こんな俺にまで輝く笑顔を向けてくれたのだ。
そんな彼女に、当時中学生だった俺は一目で恋に落ちた。
…まぁ、一目惚れってやつだ。
高2の始めに告白して、貰った返事は「よろしくお願いします」ときたもんだ。
あん時は本気で感動したね。
それから、結構上手くいってた筈何だけどなぁ…。
昨日、突然会いたいって言ったと思ったら別れてくれ…だもんな。
で、さ。
ここまで言ったら俺が何言いたいのか分かるか?
え、分かんない?
傷心の俺を慰めて欲しいの!!
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