11人が本棚に入れています
本棚に追加
って、まぁ冗談は母校の思い出と共に横に置いといて…。
とりあえずは、それだけブルーな気持ちでバイトからの帰り道を歩いている訳なのです。
…………。
ごめん。今のは無いな。
いい年した男が「なのです」発言はかなり痛い。
あ、そんな事してる間に、俺の家が見えて…あれ?
俺の前にあるのは、家賃2万の風呂無し六畳のボロアパートではなく、デカイ、デカ過ぎる豪邸だった。
あれー…家の近所にこんなデカイ豪邸あったっけ。
…いや、無かった。
少なくとも、俺が朝バイトに行った時には無かった。
そうか、道を間違えたんだ!!
俺とした事が…考え事していて気付かなかったのか。
来た道を戻ろうと豪邸に背を向けたその時…。
「太郎さん!!」
そう女の子の声が後ろから聞こえた。
振り返った俺は、あまりにもこの場に似合わない服装の女の子を見つけた。
「メ…メイド!?」
つい声に出してしまった。
そう、目の前にいる少女の装備は薄い水色のカチューシャ。首には同じ色の少し大きめのリボン。濃い青色のワンピースの上には白いエプロン…。
俺の想像よりは幾分地味だが、それはまぎれもなくメイドだった。
動揺する俺に、間違いなく向かって来ているそのメイド少女。
そして、もう少しで少女の手が俺に触れる…というところで、少女が足を滑らせた。
最初のコメントを投稿しよう!