プロローグ

3/6
前へ
/8ページ
次へ
って、まぁ冗談は母校の思い出と共に横に置いといて…。 とりあえずは、それだけブルーな気持ちでバイトからの帰り道を歩いている訳なのです。 …………。 ごめん。今のは無いな。 いい年した男が「なのです」発言はかなり痛い。 あ、そんな事してる間に、俺の家が見えて…あれ? 俺の前にあるのは、家賃2万の風呂無し六畳のボロアパートではなく、デカイ、デカ過ぎる豪邸だった。 あれー…家の近所にこんなデカイ豪邸あったっけ。 …いや、無かった。 少なくとも、俺が朝バイトに行った時には無かった。 そうか、道を間違えたんだ!! 俺とした事が…考え事していて気付かなかったのか。 来た道を戻ろうと豪邸に背を向けたその時…。 「太郎さん!!」 そう女の子の声が後ろから聞こえた。 振り返った俺は、あまりにもこの場に似合わない服装の女の子を見つけた。 「メ…メイド!?」 つい声に出してしまった。 そう、目の前にいる少女の装備は薄い水色のカチューシャ。首には同じ色の少し大きめのリボン。濃い青色のワンピースの上には白いエプロン…。 俺の想像よりは幾分地味だが、それはまぎれもなくメイドだった。 動揺する俺に、間違いなく向かって来ているそのメイド少女。 そして、もう少しで少女の手が俺に触れる…というところで、少女が足を滑らせた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加