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「きゃっ…」
「グハッ」
なんとも情けない声をだして倒れこんだ、俺と少女。
俺の上に少女が乗っているという、漫画の様な状況だ。
少女に少し胸が無い事が残念…じゃない!!
何か…何か行動を起こさなければ…!!
と思い、少女に声を掛ける事にした。
「あのー…大丈夫?」
全く動かなかった少女の肩がピクリと揺れた。
そして、ガバッと勢いよく起き上がる。
「はっ!!私とした事が、転ぶなんて…あぁっ、太郎さん何故そんな所に!?いや、それよりも早く退かないとっ…」
少女は思っている事を素直に言ってしまうらしい。
言いながら俺から少し離れた所に正座して座った。
「本当に、ごめんなさい…。」
しゅん…としながら謝る少女に、俺はズキズキと痛む背中を気にしない事にして、声を掛けた。
「いや、びっくりしたけど大した怪我も無いみたいだし気にしなくていいよ…。」
背中の痛みはこの際無視だ。
俺は紳士だからな。
「や、やっぱり太郎さんはお優しいです…。」
ぱぁっ…と表情を明るくして言う少女に、俺は今まで疑問に思っていた事を尋ねる。
「何故、俺の名前を知ってるんだ?」
「何故?」
きょとんとした表情を浮かべ、首を傾げる少女。
畜生、可愛いじゃないか…っ。
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