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だが… 俺とは気づいてないんだろ? 鋭いとこまで行ってるがやっぱりワトソン君は馬鹿だ… いや… またピアノに触れた俺が馬鹿なのか… 紗『なぁ…ワトソン君はシンってやつのどこを追いかけてるの?』 ジン『…俺…ピアノ好きだけど…親や親戚がさ…一番一番って…俺は一番を取るためにピアノしてたわけじゃないのに…だけどシンは…周りからは何にも言われずに目標を持ってたように見えたんだ…』 俺の何気ない質問にジンは何かを思い出すように答える まぁ… あの時は自分の存在価値を周りに示して認めてもらいたかった その想いでピアノやってたからな… その前はヴァイオリン…その前は柔道に剣道…その前はフルートだっけか…? 何でも自分の価値を示せそうなやつはやった ただ我武者羅に一番を目指してた それが目標だったのかもしれない… だけど… 残ったのは何にも無かったんだぜ? 紗『別に…存在を認めてもらえる人が近くに居るだけでピアノやってる意味はあるんじゃないか?』 俺の周りにはアイツら以外居なかった存在 それが居るだけで… 俺はピアノを弾く意味はあるとおもう… 賞を取ったって何にも言われなくてお前なんか居る意味無いって言われるよりはるかにマシだ… 俺のがそぅ呟くとジンはバッと振り向く ジンの瞳に自傷ぎみに笑う俺が写っていた…  
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