はじまりの町

7/8
前へ
/44ページ
次へ
「ご、56の差…ゴムの差…ゴムゴムゴムのボー…」 そのまま3秒ほど二人の動きが止まった。 「あの…」 「ボー…」 「私別に心綱使わないよ?」 そう言うと更紗はまた微笑んだ。 「綾人って面白いね」 「えっと…あの、ありがと」 唐突に褒められ綾人が頬を染めると、更紗は急に彼の手を取った。そしてまた静かな笑顔で彼の名を呼ぶ。 「綾人」 「はいっ!」 「さよなら」 「…んへ?」 綾人は恐らく生まれてから最も間抜けな声を出した。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加