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「えっと…ランドはプレイヤーなの?」
綾人が尋ねると、ランドは首を傾げる。
「プレイヤー?なんじゃそりゃ」
(なるほど…ランドはNPCなんだ。それにしてもリアルなキャラクターメイクだなぁ)
綾人の感心した様子に、ランドは腕を組んで彼を見下ろす。
「なんだ、聞きたい事はそれだけなのか?」
「いやいや!違うよ!実は僕、ハンターになりたいんだけど…まず装備や道具を買い……あっ」
(…そういえばお金持ってないな)
そう思った瞬間、ステータス画面が開かれた。そこに所持金の額が表示されている。
所持金:3000G
「すっげーーー!!」
綾人は目を輝かせ、無意識に叫んでいた。考えただけでステータス画面が開かれた事に感動したのだ。
「な、なんだい!?」
ランドが驚きの声を上げる。綾人はそんなランドを見て、早口に尋ねた。
「ねぇ、この町に武具屋と道具屋はある!?」
「あ、あぁ…この道をまっすぐ行ったらデカい剣と盾のオブジェが飾られた店がある。そこが武具屋だ。ちなみにその向かい側が道具屋になるな」
「ありがとう!」
ランドが答えると、綾人は屈託のない笑顔を見せて走り出した。
「あ、言い忘れてたな。ギニングの町へようこそ~!」
ランドが綾人の背中に向かって叫ぶと、綾人は右手を振って応えた。
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