父が幸せをつかむ日

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「ほら、隆もご挨拶をして。」 そう急かす智恵子さんの隣を見ると、まだ幼さ抜けていない、男の子が窺うように座っている。 「隆です。よろしくお願いします。」 「満里奈です。よろしくお願いします。」 何の問題もなく終わった一通りの挨拶に、2人の大人はホッと顔を弛ませ、お互いに目を合わせ、柔らかに微笑んでいた。 この光景を見た私たち子供は、望むものは同じものだと、お互いに直ぐ悟った。 私は父に幸せになって貰いたいし、 彼は母に幸せになって貰いたい。 同じ目的を持った私たちはきっとうまくやれる。
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