83人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほら、隆もご挨拶をして。」
そう急かす智恵子さんの隣を見ると、まだ幼さ抜けていない、男の子が窺うように座っている。
「隆です。よろしくお願いします。」
「満里奈です。よろしくお願いします。」
何の問題もなく終わった一通りの挨拶に、2人の大人はホッと顔を弛ませ、お互いに目を合わせ、柔らかに微笑んでいた。
この光景を見た私たち子供は、望むものは同じものだと、お互いに直ぐ悟った。
私は父に幸せになって貰いたいし、
彼は母に幸せになって貰いたい。
同じ目的を持った私たちはきっとうまくやれる。
最初のコメントを投稿しよう!