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黒い長髪。
やさしげな瞳。
年は俺と同じくらい。
ワイシャツにスカート。
……この近所の会社に勤めるOLさんか?
俺は、あえて何も言わなかった。
「…あの、」
もう一度。
彼女が控えめな声で俺に声をかけてきたとき。
俺はようやく、答えた。
「…別にいいですよ」
「ありがとうございます。
よかった、席が空いてなかったので。」
彼女はそう言って、微笑むと、俺の前に座る。
店員の注文に、彼女はアイスカフェオレと答えていた。
……でも。
彼女は、どうしてそこまでして、この喫茶店に来たかったのか?
ターゲットをちらりと見ながら、彼女を見る。
すると、俺が言わんとしたことが分かったのか、彼女は先に言った。
「すみません、どうしても、今日、ここで用事があるんでいなきゃいけないんです。」
「…そうなんですか。」
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