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†???†
どこだかもわからぬような暗い、漆黒の闇に包まれた牢屋の中に微かに響くすすり泣く声。
その涙腺はとうの昔に枯れ果てて、涙は出ておらず、涙の代わりに深紅の清水が流れていた。
涙声とは別に、その娘は小さな、小さな声で囁き続けている……
?「お願い……おうちに帰らせて…………お母さん」
その言葉はもう何回言われ続けていたのだろう……
何千何万では表せないほどの……
今宵も背中に対なる翼をもつ少女は深紅の涙を流し続けている………
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