イチブトゼンブ

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「……稲葉さんはイチバンにきまってるじゃないですか。」 「え、何?なんかいった?」 ニヤける顔を抑えつつ、わざとらしく聞くと。 「なっ、なんでもありませんよ!」 途端、悠奈の顔が赤くなる。 しばらく後。 彼女がぽつんと呟いた。 「……これじゃあ、本当にこのまま出すしかないかも……。」 「………はぁ、しょうがないなー。」 わざとらしく溜息をつくと、悠奈の問題集に並ぶ数式を指差した。 「これ、括れるんじゃない?」 「…い、稲葉さん!!」 「……これでいいでしょ?」 「あ、ありがとうございます!」 「じゃあ、俺にも付き合ってよねー」 「……え、どこか行かれるんですか?」 「そーじゃなくてさー……、」 ちょうどその時だった。
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