イチブトゼンブ

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「ふーん、俺が帰ってきたから。  川澄と二人きりだったワケですか。」 「まぁ、そんなトコです……」 さすが、リーダー。 よくわかっていらっしゃる……。 「あんまし、川澄をからかうなよ。」 とか言いつつ、リーダー。 テーブルの上に置きっぱなしの悠奈の問題集をつまみあげた。 「何?これ?」 「あ、悠奈の宿題ですよ。」 「………ふーん、川澄の…宿題、か。」 ギター関係のことでも書いてあるかのようにぱらぱらめくる。 「……いまどきの高校生…ね、」 難しそうな顔をしている松本さんに相槌をうつ。 「…久しぶりに見ると、難しく見えるんですよね~」 ちょうど、その時。 悠奈がキッチンから戻ってきた。 「松本さーん、おつまみとビールです。とりあえず。」 悠奈が、枝豆の乗った皿と、缶ビールを運んでくる。 あぁ、ありがと、そういいながら、松本さんは缶ビールを受け取り、ごくりといい音をたてながら飲む。 「稲葉さんは、お酒、ダメでしたよね?」 そう言われて差し出されるのは麦茶。 ごめん、ありがと。 と言いながら、麦茶を受け取り、枝豆に手を伸ばす。 「松本さん、なんか食べたいものあります?」 「んー、とりあえずこんだけでいいや。」 その言葉に、悠奈が麦茶を手に、ソファに腰を落ち着けた。
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