0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふーん、俺が帰ってきたから。
川澄と二人きりだったワケですか。」
「まぁ、そんなトコです……」
さすが、リーダー。
よくわかっていらっしゃる……。
「あんまし、川澄をからかうなよ。」
とか言いつつ、リーダー。
テーブルの上に置きっぱなしの悠奈の問題集をつまみあげた。
「何?これ?」
「あ、悠奈の宿題ですよ。」
「………ふーん、川澄の…宿題、か。」
ギター関係のことでも書いてあるかのようにぱらぱらめくる。
「……いまどきの高校生…ね、」
難しそうな顔をしている松本さんに相槌をうつ。
「…久しぶりに見ると、難しく見えるんですよね~」
ちょうど、その時。
悠奈がキッチンから戻ってきた。
「松本さーん、おつまみとビールです。とりあえず。」
悠奈が、枝豆の乗った皿と、缶ビールを運んでくる。
あぁ、ありがと、そういいながら、松本さんは缶ビールを受け取り、ごくりといい音をたてながら飲む。
「稲葉さんは、お酒、ダメでしたよね?」
そう言われて差し出されるのは麦茶。
ごめん、ありがと。
と言いながら、麦茶を受け取り、枝豆に手を伸ばす。
「松本さん、なんか食べたいものあります?」
「んー、とりあえずこんだけでいいや。」
その言葉に、悠奈が麦茶を手に、ソファに腰を落ち着けた。
最初のコメントを投稿しよう!