イチブトゼンブ

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「……でも、本職は女子高生です。」 「あぁ、そうだったね、ごめんごめん。」 「…で、稲葉さーん。……これ、分からないんですよ。」 「ふむふむ、これね。」 分からない問題は因数分解。 ……因数分解。 「ねぇ、悠奈。……別に解けなくてもさ、そのまま出しちゃえば?」 「…何、言ってるんですか?」 「…だって、二人きりなんだから、さ。それはスタジオでやればいーじゃん。  俺がやってるときに。」 「そんなこと、言われても……ですね。……明日までなんですってば。」 「……じゃあ、宿題と俺、どっちが大事?」 少し拗ねた風に言ってみる。 ……すると、悠奈は困った顔で僕を見た。
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