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やっとの思いで奴を撃破すると、次の入力で更に強敵がやってきた。
よくわからない上に指が動かない…
どうしよう…
困っていると、またしても人の気配がした。再び振り向くと、やはりそこには神崎くんが立っていた。
「仕事順調ですか?」
「それが…、どうしてもわからないところがあって…」
「どこですか?」
「ここなんだけど…」
「あぁ、これはこうするんですよ」
そう言って華麗な手つきでキーボードをたたいて、僕が30分悩んでいた入力をものの数秒で終わらせてしまった。
「……すごい…」
「そうでもないですよ。山田さんだって、一、二ヶ月すればこれくらい出来るようになりますよ…」
「そ、そうかなぁ…?」
「えぇ。きっと」
僕は、そう言って笑う神崎くんに見入ってしまった。
だって、笑顔がすごく綺麗だったから…
「ん?山田さん?俺の顔、なんかついてます?」
「えっ?あ…、ううん、なにも!」
僕は慌てて顔を隠した。だって、なんだか…顔が熱い。
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