第三章:真っ赤な悪魔

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助かった…。 久々に見た感覚の夜空は、星が沢山瞬いていた。 こんなの初めてだ。 俺はネオンの光しか知らない…。 星ってこんなに沢山あったんだ。 「ぅ…」 祐希は体中の痛みに耐えながら再び立ち上がり、歩き出す。 捻ったのか、片足は思うように動かせなかった。 すぐ向こう側に皆がいる。 キャーキャー五月蠅い柚衣を早く渡そう。 「っくし!」 くしゃみが出た。 あんなに熱かったのが一気に寒くなる。 「あーうぅー」 柚衣の視線が自分に向いている事に気付いた。 「んだよ…」 「きゃーい!」 ベチッ… 頬を殴られた。 恩を仇で返された。 やっぱ俺、ガキも赤ん坊も大嫌いだ。
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