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「ハァ…ハァ…」
えらそうに息をあげる。
旅館の自室に着くと布団を急いで敷いてもらい、祐希はすぐに浴衣に着替えて横になった。
火傷をした所も手当てをしてもらった。
片足にはシップと包帯が巻かれている。
祐希の熱は38.7度だった。
「もう…こんな季節に川飛び込んだら風邪引くに決まってるでしょっ!」
「…っ」
季節の事なんて一言も教えてくれなかっただろ…。
つか、水で濡らさないと家ん中飛び込めなかったし。
俺が行かなきゃ柚衣は確実に死んでた…。
などという小言は全て荒い呼吸にのまれた。
「ホント馬鹿なんだから。今体調どう…?」
真理亜は洗面器に入った冷水にタオルをつけ、ギュッと絞る。
馬鹿?
馬鹿ですが何か?
馬鹿上等だクソ女…
そんな事を思うのだが、今は病気に体を支配されてしまっている。
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