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「頭痛ぇ…」
「他は?」
「…ダルい。…寒い」
「完全に風邪ね」
真理亜は絞ったタオルを祐希の額にのせた。
頭痛、だるみ、寒気…
見事に風邪独特の症状。
吐き気がないのはまだ良い方だろう。
「薬とか…ねぇの?」
「薬も、この世界は…」
「マジかよ…っ」
祐希はふぅっと吐息をつく。
風邪なんて滅多に引かないのにな…
最後に引いたのはまだ小学生の頃くらいか?
こんなえらかったっけ…。
「ま、治すのは寝るのが一番だから早く寝なよっ!私はちょっと柚衣ちゃん達の所行ってくるから」
そう言って真理亜は部屋を出て行った。
ぽつんと一人、残された病人…。
こんな状態じゃ「寝なよ」ですぐ寝れる訳ない。
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