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カチ…コチ…
カチ…コチ…
時計の秒針音だけが虚しく響く。
「…ケホッ」
なかなかよくならない。
それどころか悪化してるかも…。
祐希は隣りに置いてあった体温計を取り、口に咥えた。
ボーッとして思考が回らない。
―バァンッ!!
ビクッ!!
急なドアの開放に祐希の心臓が飛び跳ねた。
「祐希君…いますか?」
真理亜の声じゃない。
声からすると…男?
トタトタと足音は祐希に接近してきた。
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