第四章:病人と海翔

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カチ…コチ… カチ…コチ… 時計の秒針音だけが虚しく響く。 「…ケホッ」 なかなかよくならない。 それどころか悪化してるかも…。 祐希は隣りに置いてあった体温計を取り、口に咥えた。 ボーッとして思考が回らない。 ―バァンッ!! ビクッ!! 急なドアの開放に祐希の心臓が飛び跳ねた。 「祐希君…いますか?」 真理亜の声じゃない。 声からすると…男? トタトタと足音は祐希に接近してきた。
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