第四章:病人と海翔

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「僕も地球から来た罪人で…カウントが今422なんです。でも最近全くカウント増えなくて。僕って消極的だから全然出来なくて…」 知らねぇしそんなん。 俺に言うなよ。 それに部屋に入ってきた時点で結構積極的じゃね? 「きっと祐希君なら、僕を変えてくれるだろうと思って…」 初対面で言うセリフか。 あー…頭痛ぇ。 「駄目…ですか?」 「…」 祐希はクイクイと咥えた体温計を動かす。 額から横に汗が流れた。 めんどくせぇ。 ただでさえクソアマがうっとおしいのに。 まぁカウントの手助けで居る訳だから良いとして。 コイツはどうだ…。 邪魔者が増えるだけじゃねぇか。 誰がこんなヤツ… ポトッと体温計が布団に落ちた。 「ゆっ祐希君…?!」 「ハァ…ハァ…っ」 風邪って自力で治すとなると厄介だ…。
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