678人が本棚に入れています
本棚に追加
/303ページ
「渇いたタオルも持ってきたんですけど、汗…拭きます?」
「…いい」
「治りませんよ?」
「治す…」
祐希は腕を額にのせる。
クラクラしてきた…。
胸元辺りに違和感を感じて目を少し開くと、浴衣がはだけていた。
「やっぱり駄目です!!汗、拭いて下さい」
「お前…っ」
反発する前に、目の前に渇いたタオルをずいっと持ってこられた。
「…」
仕方なく祐希は体を起こす。
それだけでかなりダルかった。
タオルを受け取り、祐希は腹部から汗を拭き取っていく。
「お前…名前は?」
祐希が隣りで正座する少年に聞いた。
「か、海翔です!!海に翔ぶって書いて海翔!!」
漢字まで説明した。
律義なヤツ…。
最初のコメントを投稿しよう!