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祐希は海翔の言われた通りに汗を拭き、再び浴衣を整え寝転んだ。
なんだか、スッキリした感じがする。
「はい…」
海翔は冷水を絞ったタオル祐希の額にのせた。
ひんやりして気持ち良い。
「…借りは返すから」
「え、なんですかそれ?」
「看病の…」
「て事は、いっ良いんですか?!」
声のトーンが高くなり、海翔に笑顔がほころんだ。
祐希は小さく頷く。
「やったぁ…!!」
一人でガッツポーズをして喜んでいる。
それが、今日祐希が見た最後の景色だった。
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