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「…騙されたっちゅうことか。」
ガクッと肩を降ろし、再び歩き始めるサキュアル。
有力だと思っていた情報が、結局ただの無駄話になったという結果に落ち込みを隠せず、そのまま大広間へとたどり着く。
大広間では相も変わらず、悪魔達が雑談、仮眠と、私事を行っている。
その姿は、新人悪魔のサキュアルからするとあまりに滑稽に映った。
仕事も無く、毎日毎日自室と大広間を往復する先輩悪魔。
その上の悪魔達は、人間の偵察だと言って人間界へと遊びに行く体たらく。
素直に羨ましいとも思えない下っ端悪魔は、自分の中で生まれる悪意を飲み込み、再び自室へと歩いて行く。
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