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アルコールの入った篠崎は時折大胆に恋人を誘う。
そんな彼を見るのも好きで飲むなと言えない真壁は、苦笑しながら触れていた指先の動きを止めた。
「明日、仕事は?」
「――― 休みだと言いませんでしたか…?」
シン、とした夜半に月明かりだけが照らすベランダで、微笑みながら見上げる篠崎の髪が淡く透ける。
「月が妬いて沈むくらい…」
続く言葉は囁きに変えて、篠崎は望みの言葉を口にした。
真壁は驚きの表情をしたかと思うとその身体を強く抱き締める。
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