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「あ…これ美味しい…」
支配人から貰ったと真壁が持ち帰った日本酒は、篠崎の口に合ったようだ。
食事と共に出したそれを嬉しそうに飲んでいる篠崎を見て、真壁は目を細めた。
「…いいけど、飲みすぎるなよ?」
「え?大丈夫ですよ」
にっこり笑う篠崎の言葉が、どれほどあてにならないかは今までの経験からよく判っている。
医師であるくせに自分の限界に気付かず、どんどん飲んでは腰が立たなくなる。
酔って肌をほんのりと染めた篠崎は妙に艶かしくて、まるで誘っているように見える。
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