十五夜

6/11
前へ
/14ページ
次へ
「―――雅史」 「…はい、真壁さん」 引き寄せられるままに身体を預けた篠崎は、真壁の首筋に顔を埋めた。 「真壁さんの匂い…」 腕を廻して肩に縋りつきながら、篠崎は呟いた。 そんな彼の頬にそっと唇が落ちる。 目を閉じてそれを受けた篠崎は真壁の唇に自分からキスをした。 尋ねるような舌先が絡む。 真壁はそれを受けとめて次第に強く吸い上げていく。 時折漏れる熱い吐息と湿った音だけが響く。 真壁に腰を強く引かれて、篠崎は力が抜けたように座り込んだ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

514人が本棚に入れています
本棚に追加