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「―――雅史」
「…はい、真壁さん」
引き寄せられるままに身体を預けた篠崎は、真壁の首筋に顔を埋めた。
「真壁さんの匂い…」
腕を廻して肩に縋りつきながら、篠崎は呟いた。
そんな彼の頬にそっと唇が落ちる。
目を閉じてそれを受けた篠崎は真壁の唇に自分からキスをした。
尋ねるような舌先が絡む。
真壁はそれを受けとめて次第に強く吸い上げていく。
時折漏れる熱い吐息と湿った音だけが響く。
真壁に腰を強く引かれて、篠崎は力が抜けたように座り込んだ。
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