始まりそして終わり

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翌日からのケイマルに何も変化はなかった。 そして2、3日も経つとすっかり夢のことなど忘れていた。 …そうして5年が過ぎ、ケイマルは中学3年生になった。 その頃になり、ようやくケイマルは自分の体の異変に気付いた。 5年前に187cmだった身長が、この5年間で1mmも伸びていないのだ。 そしてケイマルはようやく夢のことを思い出した。 「まさかあの夢は本当だったのか?俺の成長はここまでなのか…いやだ!こんなにチビのままで成長がとまるなんて!仕方ない。あいつのところへ行くか」 ケイマルは自慢の脚力で二宮の金ちゃんのところへ走った。 途中貧血で倒れて、家に帰ろうかとも思ったが何とか金ちゃんのところに着いた。 すると金ちゃんの方から話し始めた。 「遅かったな。ケイマル。もう来ないかと思ったぞ。まぁ来ないなら来ないでいいんだがな。それでここに来たってことは呪いをときたいんだろ?」 「あぁ、頼む。俺こんなにチビじゃ生きていけねぇよ」 「よし、じゃあ呪いの解き方を教えよう。まぁ簡単なことだ。お前の小学校の時の担任の瀬久原触(せくはらさわる)を倒せばいい」 「倒すって殺すのか?何考えてんだよ。そんなのムリムリ。」 「いいか。よく聞け。あいつは人間じゃない。外見は人だが、池の村って惑星から地球を侵略しに来た異星人だ。そしてあいつを倒す為に俺が送り込まれたんだ。なのにお前が俺にラリアットを決めたせいで、俺の魔力が著しく失われたんだ。だからお前にはあいつを倒す義務がある」 「いや~、理由はわかったけどさぁ、俺、血ダメなんだよね。だからムリ」 「そんな理由か。情けない。だが安心しろ。俺と一緒に送り込まれた内田という奴がいる。奴のところへ行き小包を受けとるんだ。奴は西へ30歩のところにいる。さぁケイマルよ。呪いをときたければ行くのだ」 「ハイハイ、行きますよ」 こうしてケイマルのせくはら撲滅大作戦が始まった。
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