18人が本棚に入れています
本棚に追加
ケイマルは早速家に帰り、宿題を始めた。
「え~っと、今日の宿題は数学かぁ。問1。う~ん、なになに。シク……ハック、かな?問2。よっつの次はいくつでしょう、か。なんだ、簡単じゃあん。そんなのごつつに決まって…ん?ごつつ?あ~~内田に小包もらうの忘れてた」
慌ててケイマルは家を飛び出して行った。
…
4分後
ケイマルはフラフラで帰ってきた。
「…おかあさ~ん。走ったら、また貧血になった~。もう地球なんて救わずに早く寝た~い」
「あらあら、大丈夫?ムリしちゃダメよ。ケイくんがやりたくないなら、やらなくてもいいのよ」
「でも地球侵略されちゃうよ?」
「いいわよ。そうなったら、その時考えましょ。お母さんはケイくんが1番大事なの」
「お母さん…」
…
…
こうしてケイマルが内田のもとを訪れないまま4年がたった。
そこには高校受験に失敗し続け、いわゆるニートとなったケイマルがいた。
完全無気力人間と化したケイマルは、1日のうち起きている時間がたった3時間となっていた。
残りの24時間は寝ているのである。
このことをケイマルの母、秀次郎は悲しんだ。
秀次郎は息子、ケイマルを唯一の生きがいとしていたためノイローゼになっていた。
そして気付いた。
自分も生きがいをなくして苦しんでいるのだから、ケイマルもそうかもしれない。
生きがいがあればケイマルはもとに戻ってくれるかもしれない。
ケイマルの生きがいは…背が伸びること!
「そうだ。私がケイマルを助けてあげなきゃ。ケイマル、待ってて。お母さんがきっとあなたの呪いを解いてあげるわ」
そして、母、秀次郎は学校へ走った。
最初のコメントを投稿しよう!