始まりそして終わり

4/7
前へ
/7ページ
次へ
ケイマルは早速家に帰り、宿題を始めた。 「え~っと、今日の宿題は数学かぁ。問1。う~ん、なになに。シク……ハック、かな?問2。よっつの次はいくつでしょう、か。なんだ、簡単じゃあん。そんなのごつつに決まって…ん?ごつつ?あ~~内田に小包もらうの忘れてた」 慌ててケイマルは家を飛び出して行った。 … 4分後 ケイマルはフラフラで帰ってきた。 「…おかあさ~ん。走ったら、また貧血になった~。もう地球なんて救わずに早く寝た~い」 「あらあら、大丈夫?ムリしちゃダメよ。ケイくんがやりたくないなら、やらなくてもいいのよ」 「でも地球侵略されちゃうよ?」 「いいわよ。そうなったら、その時考えましょ。お母さんはケイくんが1番大事なの」 「お母さん…」 … … こうしてケイマルが内田のもとを訪れないまま4年がたった。 そこには高校受験に失敗し続け、いわゆるニートとなったケイマルがいた。 完全無気力人間と化したケイマルは、1日のうち起きている時間がたった3時間となっていた。 残りの24時間は寝ているのである。 このことをケイマルの母、秀次郎は悲しんだ。 秀次郎は息子、ケイマルを唯一の生きがいとしていたためノイローゼになっていた。 そして気付いた。 自分も生きがいをなくして苦しんでいるのだから、ケイマルもそうかもしれない。 生きがいがあればケイマルはもとに戻ってくれるかもしれない。 ケイマルの生きがいは…背が伸びること! 「そうだ。私がケイマルを助けてあげなきゃ。ケイマル、待ってて。お母さんがきっとあなたの呪いを解いてあげるわ」 そして、母、秀次郎は学校へ走った。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加