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「どうだった?学校は」
「初日なので何とも言えません」
「クールだねぇ~」
甚平を着て茶菓子の羊羹を頬張る親父は黙っていれば威厳のある組長だが口を開けば近所のオッサンだ。
肩書きの『若獅子』の若いところは無ぇと思う。
「まぁ頑張って」
「……努力します」
「部活は?」
「未定です」
そのまま部屋を出るとすぐ隣にミオが学生服からいつもの和装に着替えて待っていた。
動きにくそうな着物にミオは涼しい顔で俺の詰め襟の上を持ってくれる。
「お疲れ様です。お部屋にお茶を用意してあります」
「サンキュ」
日本家屋をイメージされた家で広い。
玄関だけでも広い。
二階に上がって突き当たりの部屋が俺の部屋で隣がミオの部屋だ。
部屋にはミオが言った通り、ミルクティーがデスクに置いてあった。
「雅樹様は何とおっしゃっていましたか?」
「頑張れってさ。あと部活」
「そうそうに決めないといけませんね」
部活表に目を落とすと相変わらずメジャーな部活が並んでいたがある部活が目に入った。
一番最後に書いてあって誰も知らなそうな部活だった。
「日本部ってなんだ?」
「名前を聞く限りでは日本の古い文化を味わう部活でしょうか……」
「奇っ怪だな」
とりあえず風呂に入って飯を食うか。
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