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教師をちらっと見て背を向けたのを確認して返事を紙飛行機にして大塚に放る。
後に大塚の席周辺に嬉しそうな声とゴンッという音が聞こえた。
膝を机に思い切りぶつけたんだろう。
悲痛な声が聞こえた。
「なんて返事したんですか」
「知らねぇ」
「机に膝を思い切りぶつけてましたよ」
「オーバーなんだよ」
流れるように時間が流れ、現代文が終わりミオと話す。
結局手紙を受け取った大塚は喜びのあまり立ち上がって膝を強打したらしい。
教師に「大丈夫か?」と聞かれて「平気っす」という会話があった。
「珍しいですね。自ら歩むなんて」
「勘違いするなよ。別に向こうから誘ってきただけだ」
「そうですか……」
絶対ミオはわかってない。
俺は今まで自ら他人と交流した記憶はない。
友達なんてあってもなくても変わらないし、元を辿れば赤の他人だから馴れ合いなんて正直気持ち悪い。
「次なんだっけ」
「英語です」
「………」
「寝ないでくださいよ?」
「気が向いたらな」
英語っつーのは昔から相性が悪く気に入らない。
ミオはアンドロイドだから一通りの知識がインプットされているから問題は無い。
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