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「孫を助けてくれ」
マスターの願いで私は造られた。
M-i00、それが私の製造名で仕事はマスターの孫である一色様をお世話すること。
私はアンドロイド。
限りなく人間に近いロボットで感情もあれば痛みもあるし血管も通っていて血も出る。
「私が助ける?」
「あぁ。孫は深い傷を負っているんだ」
「傷ですか?」
「心にな」
「心に傷はできません」
マスターが首を横に振って暗い顔をした。
人間は顔色一つで感情がわかる。
そのマスターの顔がとても印象的で。
「孫は少し変わっていてな。そのせいか性格が曲がって本当の自分を押し殺している」
「本当の自分を」
「とても優しいんだ。今はその片鱗も見えないが……」
マスターが何を言いたいかわかった気がした。
そうプログロムされているのか、私の中の好奇心が疼いた。
「その方のお名前は何ですか」
「一色だ。杜若一色」
「杜若一色様。了解です」
これから一色様のお世話をしますM-i00です。
何卒、ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。
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