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友情は花火みたいに綺麗とか言うありきたりな例はよく見る。
本当に綺麗だろうか。
俺こと杜若一色は友達関係をジュースを注いだ泡に似ていると思う。
大きい泡はすぐに割れて小さい泡は割れにくい。
それと一緒で短い付き合いはすんなり壊れるが長い付き合いはそう簡単には壊れない。
そんなもんだ。
人は俺を『変わり者』や『根性が曲がっている』と口々に言うがまぁ当たってる。
このままじゃ将来的に危ないと感じた祖父が俺の世話役としてM-i00というアンドロイド執事を造った。
愛称は『ミオ』
三年前の秋に俺の右腕になった。
「行くぞ。ミオ」
「はい」
詰め襟の制服のシワを伸ばして趣のある引き戸を引いて出ると朝日が眩しい。
学校へ向かう道を歩けば道行く人みんなが俺を二度見する。
たぶん、ミオと俺の目つきだと思う。
ミオは髪が薄い水色で長身だから少し目立つ。
俺より頭一つ分デカイし身なりのいい執事を連れているから仕方ないか。
「一色様もう少し柔らかい表情を……」
「それができたら苦労しない」
俺はに目つきが悪い。
そのせいかよく絡まれる上に喧嘩を売られる。
制服も地元では有名な嬢ちゃん坊ちゃん学校だから尚更だ。
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