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「よっしゃ、次はお前らの番や。自己紹介せぇ」
さっそく関西弁になった佐久良は番号順に自己紹介しろと言った。
正直俺はこういうのは嫌いだ。
特に言うことが無いから。
一年だから仕方ないのだろうが何故かいつも変わった目で見られる。
珍しい名字ってのもあるが。
「元気があってよろしい。次ー」
「……明宝中出身の杜若一色。趣味は機械いじり」
「もうちょい笑おうか。お、次は同じ名字やな」
不機嫌が顔に出てたらしく声が低くて前の席の奴がけっこうびびってた。
「杜若ミオです、得意教科は数学です。よろしくお願いします」
「爽やか少年かー。えぇなぁ」
学校側に俺とミオの関係は従兄弟と伝えてある。
さすがにアンドロイドの執事って言えない。
兄弟じゃ歳が近すぎるし双子じゃ似さなすぎとか言うから従兄弟設定。
なるべく学生らしくふるまう様には指示してあるが紳士的な物言いと高身長が重なって学生っぽくない。
かと言ってゴリゴリの執事服着せるわけにはいかない。
理想は俺単品での通学だが親がせっかくだからとミオも同行することに。
一通りに自己紹介が終ったと同時に鐘がなって休み時間になった。
早くも絶望の予感がする。
「部活は強制だから決めときやー」
「部活ですか」
「めんどくさ」
「そう言わないでください。さもなくば生徒会行きです」
「もっとめんどくさ」
部活に入らない生徒は生徒会に強制的に入られるらしい。
手短に文化部にしとくか。
運動部になったら時間が無くなる。
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