友達の定義

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「杜若の家ってどんなのしてんの?」 「言ってどうする」 「この学校ってけっこう特殊な人多いんだよね。あいつは国会議員の息子であの二つ結びの女子は大学病院の理事長の娘らしいぜ」 箸で指しながらペラペラ話す大塚は情報通で携帯一つでいろんな情報が集まるとか。 俺は興味無いがミオは頭にインプットしている。 携帯一つで誰が両親がどんな仕事しているのがわかるなんて情報漏洩甚だしい。 「ちなみにオレは……大塚誠二って聞いたことねぇ?」 「金融庁のトップでしたか」 「さっすが水色の方。オレの親父なんだよね、杜若ん家は?」 「………極道」 俺のバックには数多のヤクザがいる。 テレビの影響かは知らんが歯向かったら指切られるとか海に沈められるとか言われてかなり敬遠されたもんだ。 んなわけあるかっての。 関係は木みたいで親父が木本体で地面に生えてる根っこが手先みたいなもんだ。 つーか、なんでこんな見ず知らずの野郎に素性を教えないといけないんだ。 コイツのペースに乗せられているというのか。 「ミオ……とか言ったな。お前らあんま似てないな」 そりゃあアンドロイドだし。 第一に従兄弟って似てねぇもんだろ。 執事連れて登校なんざこの学校では当たり前らしい。 世間は物騒だし過保護な親が良かれと思ってガードマンを兼ねている。 ウチも人のこと言えん。 中には全部執事に任せきりでなんもしねぇ奴もいる。 更には米も研げない箱入りがいるとか。 いくら俺でも米ぐらいは研げるし炊ける。
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