🚄身勝手な男

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その日の彼はすぐに寝てしまい話しすら聞いて 貰えませんでした。 早く話をしないと… 実家に帰るまで2ヶ月を切りました、会社には全て話をして 円満退社の形はとれました。 後は彼の答を聞くだけです。 部屋で会えば直ぐに押し倒されてしまうので 外へ食事に誘います、大事な話なので個室のお店にしました。 いつもと違う雰囲気に彼も何かを感じているようでした。 食事はそこそこに私は話を始めます。 後 2ヶ月足らずで実家に帰る事を告げました。 彼は余り驚きもせず 無言のまま食事を続けています、噂でこの話はしっていた様です。 私は言いました、この曖昧な関係に終止符を打ちたい事、気持ちを整理したいから帰る1ヶ月前には返事がほしい事を 彼は了解はしてくれましたが その態度からあまりいい答は期待出来そうにありませんでした。 人事は尽くしました、あとは天命を待つだけです 引っ越しの準備に追われた私は その日から彼に会わずにいました。 そして彼の返事を聞く日はやってきました。 以外にも彼から呼び出されました、しかも会社のロビーに… 人目を気にする事なく彼は言いました。 「俺、今の生活が楽しいんだ、変えたくない」 私が言葉を返す前に彼は去っていきました。 二人の出会いはなんの為にあったのでしょうか。 それから彼とは職場で仕事以外の話はなくなりました。 沈む私とは対照的に彼は毎日輝いていました。 退社の日みんなが開いてくれた送別会に 彼の姿はありません。 私を送ってくれた みんなには悪いけど みんなとの別れを惜しんで泣いたのではありません。 ただ一人の人との別れが悲しくて泣いたのです。 私が生まれて初めてついた嘘です。 恋は終わった時に 楽しかった思い出がなぜ苦しみに変わるのでしょうか? 忘れたくないのに忘れないと生きられないのはなぜですか… 彼の携帯に 帰りの日時をメールで送りました。 最後の望みを託して。
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