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🔔発車のベルはなりました、恋の終わりを告げるように…。
間もなく目的駅に着きます、全ての思い出でをこの列車に置いて行きたかったけど 無理です私には出来ません。
結構引きずります私は
好きになったのは私です仕方ありません
荷物とほんの小さな思い出も忘れる事なく列車を降りました。
早く家に帰って泣きたいそんな気分で歩いてた…
その時突然持っていたバックを奪われました。
ひったくり❗
バックを奪った男は逃げません。
そこには私のバックを持った彼が立っていました。
「どうして此処にいるの」
「前の列車の中でオマエを捜していたらドアが閉まっつちゃつて」
「なんで?携帯にメールで知らせたよ」
「急いでいたから携帯忘れてしまって」
「見送りに此処まで来てくれたの?
「この1ヶ月で俺気付いたんだ」
「なにが?」
「毎日が楽しかったのはオマエがいたからだって」
「………」
「オマエがいなくなったら何も楽しくないんだ、あの街が楽しいんじゃなくオマエといる事が楽しいと気付いたんだ」
そう言って彼は私を抱きしめました。
人目を気にしないその行動に強い愛情を感じ私も強く抱きしめました。
「さあ行こう!」「行くって何処に?」
「決まってるだろオマエの家だよ」
「家?どうして」
「挨拶に決まってるじゃん」
「挨拶?」
「ああ、娘さんを下さいって」
身勝手な彼の行動で 私が初めて嬉しい涙を流した時でした。
誰もいないホームで二人の影がひとつになって浮かんでいます。
~おしまい~
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