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まだ、俺が幼稚園児の頃だった。夏休みに止まった民宿の近くに、自殺の名所があった。
元々父の地元だ。そういう事には詳しいのだ。
「それじゃあ、ちょっと行ってみるか♪」
父も軽い冗談で言ったのだろう。そんな物騒な事を言い出した。
ちなみに父、全くそういう類は見えない。
父の発言に、母は反対した。理由は純粋に危ないから。何しろ飛び降り自殺の多い場所だ。
ちなみに母、割と見える人らしい。
しばらく一方的に父を止める(かなり言葉の暴力を多様)母だが、逆に父は反発心全開で、俺を誘った。
今にして思う。母よ、もう少し父の扱いに上手くなってくれ。
「私も一緒に行くよー♪」
何故か姉も同行。きっと可愛い弟を心配して・・・
「スッゴく楽しみー♪」
ちなみに姉、普通に見える人である。弟の心配?そんな言葉は知らないだろう。
「大丈夫だぁ、そんな簡単に出ないから♪」
鋭い読者は気付いているだろう、何も起きないなんて事は無かった。
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