最初に見えたのは・・・

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飛び降り自殺をする場所に到着してすぐ、寒気を感じた。 ただし当時の俺はまだ幼稚園児、そんな感覚も『寒いにゃー💦』で済ませていたのだ。最初は・・・ 「ほら、こっからみんな落ちるんだぞー♪」 父は何も感じないらしい。かなり鈍い。でも当時の俺は『父スゴイ』と純粋に感動、呑気だった。 姉が下を覗いていたから、俺も覗こうとした。だけど途中で怖くなって、足を止めようとした。 (・・・あれ?) 足が止まらない。あれ?このままだと崖から落ちるよ? (何で、止まらないの?) ようやく理解した。体が引っ張られてる、掴む手が見えた。 悲鳴を上げる前に、手を引かれた。俺の手を、姉が掴んでいた。 「面白かった、帰るよー♪」 アッサリと、俺を連れ戻した。姉は意図してか、それとも偶然なのか、確かに俺を助けた。 「やっぱり怖くなったか?まだまだ子供だなぁ♪」 ・・・父、たった今息子がピンチだったよ。 あの後しばらく、姉から海に入る事を禁じられた。掴んでいた手は、崖から離れたら勝手に消えた。 あれから、幽霊を見る事が度々あった。ただ、この場所には近付かない事にしている。 一度、成人してから夜に近付いたが、やっぱり大変な事が起こった。それはまた、いつか・・・ とりあえず一言。 『父の阿呆っ!!』
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