違和感

2/3
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
俺が小学生の頃の話です。 工作の授業で、夕方まで学校に残っていた。 「なぁなぁ、この状況ってよく怖い話であるよな。」 「確かにね。花子さんとか、赤いチャンチャンコとか。」 「・・・好きだね?」 友人と固い握手を交わし、更に女子を巻き込んで・・・ 「さぁ、レッツゴー♪」 子供の行動は全て好奇心で決まる。学校の怪談話は、子供の好奇心を刺激する最たるものだった。 その時の狙いは花子さんだった。 「女子トイレの何処だっけ?」 「ちょうど女子が四人いるんだし、一人一つ同時に叩けば一瞬で終わるぞ♪」 「それで全部から返事来たら笑えるよな♪」 みんなが笑う。俺も笑っていた。 でも、違和感はあった。間違い探しで一つだけ見つからない何かが、あるような気がした。 そして、扉が叩かれた。 返事は無かった。 「何にも起きねーじゃん。つまんねーの。」 「こんなもんだよ♪」 みんなが笑いながら帰っていく。 違和感は続く。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!