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魔界の夜は物騒だ。
日が沈む前に家に帰ろう。
天山は天に続く山なんていうわけじゃなく、ここら辺では一番高い山って意味で名付けられた山だ。
あまりに高すぎるので、一般の悪魔なら登ろうとも思わないその山を俺はさくさくと登っていく。
昔、俺は魔界での生活に馴染めず、この辺境に追いやられた。
だって俺、気弱悪魔だもん。
ヤンキー悪魔や残虐悪魔に溢れた街じゃ生活できなかったんだ。
魔王様が言うことによれば、
「人間の負の人格は他人への敵意に溢れている。
お前のような自己嫌悪の固まりは逆に珍しい」らしい。
生前も死後も自分嫌いの固まりって、俺なんなんだよ。
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