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「じゃあとりあえずついてきてくれる?今、作ってあげる」
東と共に部屋を出た俺は訳も分からず、とりあえず東についていっている。
最初にたどり着いたのは、父さんが「居る」と言っていた部屋の前。
「お父さーん、ご飯今から作るから」
「なっ……!」
東の口から出たお父さん発言。その言葉のあまりの衝撃に、つい俺は絶句してしまった。
「あれ?普通にこう呼んでるよ」
そしてその事を何事も無いかのように、淡々と話す東。
ちなみに父さんからの返事はない。
「普通って……。つか、お前が料理って…………ヤバくない?」
俺の記憶では、東の料理の腕はあまりよろしくなかった気が……。
「こらっ!そんな事言うと食べさせないぞ?」
むーっと頬を膨らませ、女の子特有の可愛さを見せつけてくる彼女。
そんな可愛さを見せつけられれば男は誰だって微笑ましい気分になるはずだ。
「ごめんなさい」
空腹であったこともあり、半分おふざけだが、この言葉がすんなりでた。
「私だって……誰かさんの為に、花嫁修業してたんだからね?」
とか言いつつ、今度は俺にすり寄ってくる東。俺は躊躇いなく頭を撫でた。
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