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結局東に逆らうことなく、先程の廊下を戻っていく俺の姿がある。
確か父さんの部屋は……
「こっちだ」
「っ!」
背後から急に話しかけられた事により、心の底から驚いた。
無論声の主は父さんだ。
「アンタなぁ……いきな「みなまで言うな。言いたいことは……」
「殴って良いかな」
「驚かせて済まなかった」
やられっぱなしというのは俺の中ではどうも処理できない事柄なので、威嚇を仕返した。
「……飯。夕飯出来るってよ」
「……あぁ。そんなのは百も承知さ。においで分かる……多分」
最後の曖昧な表現にはつっこまないでおく。どーせ俺をからかうための罠だ。
……どうゆう罠なのかは予想がつかない。
「分かってたなら早く来れば良いだろ……」
「まぁまぁそう言うな。仕事だってあったんだ。父さんは忙しいのだ」
「そ」
「…………あれ?なんか……こう、もうちょと気遣ってくれたりしないの?」
俺が突き放すように返事をしたら、構ってちゃん的な答えが返ってきて……
イライラした。
「……なに?」
「いや、うん。何でもない」
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