東の過去

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――それから待つこと十数分。 「はーい、お待たせしました!お二人さんっ♪」 東が振り向きながら笑顔でそう言った。 「おぉ!いつもにまして旨そうな雰囲気。流石にキョウがいると変わるなぁ」 「もぉー!余計なこと言わないの!」 父さんと東がウザったい絡みを見せつける。 アンタら意外とお似合いか? 「…………ちっ」 「「あ……」」 狙ったように口から出た舌打ちの音。 「あーえっと、怒ってる?」 「いや?偶然だ。気にするなよ、由紀?」 俺はワザとらしく東の下の名前で呼んだ。 二人の顔がその瞬間曇った事は今の俺には良く分かった。 「さぁ食べようか。せっかく由紀が作ってくれた夕飯だ。冷めたら嫌だろう……?」 もう、暫くこのキャラで突き通そうと思う。
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