東の過去

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「あ、あのさく……」 「由紀、早く」 「はい……」 東は何故か顔を赤らめる。さっきまで困ったような表情をしていたのだが……。 「あの……桜くん……」 「どうした?」 「その……もっと由紀って呼んで……!」 「「…………」」 東の恐るべき一言に言葉を失う俺と父さん。(父さんはさっきから黙っているが) どうやら東のスイッチを変な方向に倒してしまったようだ。 「はい、一杯食べてね?」 「あ、あぁ。サンキューあず……」 「やだ!由紀がいい!」 「……やっちまった」 もう完全に東はスイッチが入ってしまったようだ。もう正直俺には手に負えない。 「はい、お父さん♪」 東は笑顔で三人分の夕食を配分する。その笑顔がまた…… 物凄く可愛らしい。
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