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「くっくっく……」
そんな好奇心旺盛な俺の心を件の読心術で読んだのか、父さんは笑いをこらえているようだった。
漏れてますけどね。
「……もの凄い腹立つけど、今は相手にしても仕方がない。我慢だ……我慢だ俺……」
どうせ読まれるくらいなら、と俺はわざと口に出して父さんに聞こえるように言ってやった。
「くっ……あーはっはっはっ!!お、お前……こ、降参……はっはっはっ……!!」
効果はバツグンだったようで、父さんのドツボにはまってしまった。……正直ここまで笑われても困るのだが。
「おーい、笑ってないで案内してくれー」
「はーはっは……そ、そうだな……くくく。あ、あの建物だ……くく……」
未だに笑いが収まらないようで、必死に堪えながらの説明だった。
そんなに面白かったか?
「……ふぅ。やっと、収まったわ……。全く……お前があんな最終兵器を隠し持っているとはな……」
「あんなので笑ってたら父さん一日中笑っている羽目になるぜ?」
ツボが分かんないから、俺が普通に話していたら笑ってしまった、みたいなこともあるかもしれないしな。
「ま、退屈ではなくなるのは良いことだ。さ、入って階段を上がれ」
父さんの指示に従い建物の中に入る。後に父さんが続いて、
「キョウを連れて来たぞ」
その一言だけを言った。
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