まさかの……

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こんなところで言っても無駄だろう……と思って後ろを振り返ってみると、父さんは受話器を元に戻していた。 「本来ならこれでお客さんの用件を聞き上にあげる時に使うのだが、こうやって事務所内連絡にも使える。 ……こら、ボーとしてないで階段上がれ」 玄関?エントランス?に置いてあった受話器の説明を簡単に聞いた後、父さんに押され俺は階段を上がり始めた。 「お前の部屋は……共用になっちまうがそこで良いよな?」 共用か……。別に構わないが……相手によるな。 「まぁ……良いぜ?どうせ部屋無いんだろ。だったら仕方ない」 「おぉ、済まないな。じゃそこのドアの部屋だ。俺はこっちの部屋にいるから。何かあったら呼べ」 ただそれだけ言って父さんは部屋に入ってしまった。若干慌ててたような気がしなくもないが……。 とにかく、荷物もあるし重いし邪魔だし……なので部屋に入ることにした。 コンコン…… 相部屋なので一応 「入ってもよろしいですか?」 これは聞くべきであろう。ただ……日本語だったけど。 英語で言い直そうか、と一瞬考えたがノックの返事が来たことにより、その悩みはぶっ飛んだ。 「どうぞ」 綺麗な日本語で、しかも聞き覚えのある女の声が帰ってきた。 突っ立ってても仕方ないので、部屋のドアをあけた……
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